SQL では NULL を含む演算は IS NULL, IS NOT NULL と一部の論理演算を除き常に戻り値が NULL になります。
この結果として、NULL を値に持つレコードを IS NULL 以外で抽出できなくなります。
たとえば極端な例ですが
SELECT NULL != NULL
が true にならず NULL になったりします(つまり (NULL != NULL) IS NULL が真になる)。
この仕様は Java や PHP などのプログラミング言語から考えると不可解なものにうつりますが、 NULL は値が存在しないのではなくまだわかっていない(unknown)だけなのだ、と考えるとスッキリします。
値段のカラムに null を持つ商品について考えるとき、その商品は「無料」ではなく値段がまだ「決まっていない」だけ。携帯のメールアドレスが null のユーザがいたなら、その人は携帯電話を「持っていない」という意味ではなく、その人が携帯電話を持っているか「わからない」だけです。
指定した部署(department_id)以外にいる社員(employee)の名前を探す下記のようなクエリを実行しても、部署が null の社員の名前は含まれません。その社員が 1 の部署に配属されるかもしれないからです。
SELECT name FROM employee WHERE department_id != 1
null 値も結果に含めたい場合は下記のようにしなければなりません。
SELECT name FROM employee WHERE department_id != 1 AND department_id IS NULL
0 や に包括的なからっぽ(empty)という意味を持たせたるのも伝統的でいいですが、SQL では 0, と NULL を区別して有効に使うほうがよさそうです。
参考:
3値論理とNULL(CodeZine)