テーブルロックをうまく使うと、
・MyISAM でのパフォーマンス向上
・MyISAM で(InnoDB を使わずに)簡易的にトランザクションの一部機能を実現できる
といううまみがある。(InnoDB, BDB だと逆効果になりうる。
テーブルロックの基本的なクエリは次のとおり。
– 読み込みロック
LOCK TABLES foo READ
テーブルの読み込みロッククエリを実行すると、ロック中は現在の接続(と同時に実行中の他の全ての接続)で、指定したテーブル(例では `foo`)の更新が一切できなくなる。
複数の参照系クエリを連続で送る時に、途中でデータが書きかわると困る場合に利用する。サブクエリなどを使って1クエリにまとめてしまっている場合は不要。
別の接続で書き込みロックが発生している場合は、読み込みロックを獲得するまで待ちに入る。
なお、読み込みロックは性質的にパフォーマンスを向上させるものではなさそう。
– 書き込みロック
LOCK TABLES foo WRITE
テーブルの書き込みロッククエリを実行すると、ロック中は現在の接続以外からしか読み書きができなくなる。既にロック(読み/書きいずれか)が発生している場合はロックが獲得できるまで待ちに入る。また、デフォルトで READ よりも優先度が高い。
書き込みロックによってパフォーマンスが向上する可能性があるのは、処理時間の短いクエリを多く実行する場合(ロック解除時にまとめて実行するようになるため)。
更新を1回のクエリでしか実行しないのであれば、書き込みロックは不要。
(MySQL 4.1 公式リファレンスマニュアルより)
LOCK TABLES の使用時にいくつかの面で処理が迅速になる理由は、
MySQL でキーのキャッシュが UNLOCK TABLES が呼び出されるまで
フラッシュされないためである(通常、キーのキャッシュは各 SQL
ステートメントの後にフラッシュされる)。
それによって、MyISAM テーブルに対する挿入、更新、削除処理が
迅速化される。
– ロック解除
UNLOCK TABLES
テーブルロック解除クエリが実行されるか接続が終了した時点で、現在のスレッドが保持している全てのテーブルロックを解除する。
WRITE ロックの場合はこの時点で実際にデータベース上の値を書き換える。
参考:
– MySQL4.1 リファレンスマニュアル: LOCK TABLES および UNLOCK TABLES 構文
– 釣ったよ!釣りとコンピュータ: MySQL InnoDB の利用: テーブル・ロックについて