5月8日に大阪で開催されたプレゼン勉強会に参加してきました。今回のセッションは次の4つです。
- 人前で発表をするときに気をつけたい8つのことがら(by msng氏)
- 勉強会での発表がきっかけでこんなにモテ男になった俺(by kamiyam氏)
- 中学レベルでつまづいた男が英語でサバイバルしてきた(by Goarick氏)
- 伝わるプレゼン(by mollifier氏)
人前で発表をするときに気をつけたい8つのことがら(@msng氏)
まずは主催者であるmsng氏の発表。
まず、タイトルにある8つのことがらというのは「準備」「自己紹介」「スライド」「時間」「話し方」「コミュニケーション」「ツール」「締め」の8つです。
数多くの発表経験で培われた、失敗しないためのノウハウが凝縮された発表になっています。
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準備
最悪の事態に備えること。プレゼン時にネットが使えるとは限らない。自分のPCが使えない事だってある。プレゼン資料がどこでも開けるようにPDFにしてUSBメモリに保存おくなど、2重3重に対策し、それでもダメな場合のシナリオを考えておくことが大事。
言い訳をしないで。プレゼンがちゃんと出来なかったのを忙しさや体調を理由にしない。見てる人には関係ない事で、見苦しくなってしまう。
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自己紹介
名前をはっきり名乗ろう。話す人にとっては当たり前でも、お客さんは初めて聞くのだから聞き取りやすくはっきりと。
なぜここにいるか言う事。テーマが何かを言っておくと、後の話を理解しやすくなって聞いている人の心に残りやすくなる。
情報俺様節に注意。前に立つとつい自分を大きく見せたくなるが虚勢はすぐに見抜かれて聞き手が引くのでやめよう。ありのままの自分で話そう。
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スライド
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時間
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話し方
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コミュニケーション
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ツール
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締め
スライドと発表者、どっちが主役かを考えよう。製品発表などはスライドが主役なので派手にする。発表者が主役ならスライドはシンプルにする。印刷物については、話を聞いてもらえないため避けているとのこと。
理解しづらくなるため、あまり詰め込まない事。また、スライドの上3分の2だけ使うと人数が多い時に見やすくなる。
厳守する。会場の都合など、色々な事情でイベント時間が延ばせない場合もある。ずれた時間は後の人が調整する事になるので、時間の延長をしないよう気をつけよう。
えー、より、間を作る。えー、あのー、などと言うより、沈黙するほうが意味ありげに見せられる。
オンマイクを口から遠ざけないようにしよう。
内輪ネタに注意。困った時は知り合いを頼りたくなるけど、事情を知らない人には引かれる事がある。ただし共通認識があるなら別。
聞く人から反応をもらいたい時は、して欲しい事をわかりやすく伝える。手を挙げて欲しいなら、手を挙げる動作をしながら聞くのが簡単。
挙手してもらったら自分で納得するだけでなく結果を伝えてちゃんとフィードバックしよう。
慣れない道具を使うと発表の時にうまく使えなかったりする。ツールは絞り込んで使い倒そう。
終わったの?とならないよう、終わったとはっきりわかるように伝える。
次に繋げる。最後にネットの連絡先や次に話す場所などを紹介しておくと、その場だけでなく次にも繋がる。
以上8つで終わりで、最後に、なんだかんだ言っても完璧な人はいないから、とりあえずやってみるといいよ!と締めくくられていました。
最初から全てを気をつけるのは難しいと思いますが、この8つを意識しつつ経験を重ねていくと上達が早そうですね!
勉強会での発表がきっかけでこんなにモテ男になった俺(@kamiyam氏)
続いてkamiyam氏のプレゼン。冗談みたいなタイトルですが、プレゼンを聴いていて、発表すると確かにモテるんだなぁと納得させられました。
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ほんとにモテるのか?
モテます(笑)。
ただモテると言っても異性からだけではなく、発表をすると名前を覚えてもらえて人と仲良くなれたり、仕事の依頼や勧誘が来たり、女子勉強会など他の茶話会での講演依頼が来たり、といった事が実際にある。
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発表する機会を作ろう
勉強会に参加するなら、発表者になってみよう。なぜなら一番得をするのは実は発表者なのだから。発表は恥ずかしいのが当たり前で、発表で失敗しても損することは何もない。ダダ滑りしたとしても失うものは何もない。
勉強会は数多く開催されていて、そのうち発表者がいない勉強会も意外と多くある。勉強会の探し方はATND Notifyを入れておくと便利(ATND Notify は気になるキーワードを登録しておくと、ATNDにそのキーワードを含む勉強会があった時に自動で通知してくれるようになるChrome拡張です)。Twitterで呟いたり、発表した事があればそのスライドや内容をブログに書く事も勉強会を探す上で効果的。
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気をつけること
発表者の気持ちは観客に3倍になって伝わるもの。おどおどせずに胸を張ってひとりひとりの顔を見て話したほうがよい。逆に言うと、楽しい事も3倍になって伝わるっていう事。
下手に笑わそうとしない。変に笑いを入れようとすると滑って変な汗をかきます。伝わらなかった発表内容より受けなかったネタのほうが凹むもの。ただし鉄板ネタは不思議とあるので、そういうものは遠慮なく使えばよい。
kamiyam氏曰く、発表は時には名刺やブログより強力なものになるもの、との事です。確かにセッションで話していた人は、少なくとも話していた内容について知識があると判る分、依頼をし易いですし、プレゼンには発表者の営業活動という側面があると思います。プレゼンをやって損はないけれど、恥ずかしいという理由だけでやらないのは損、と言えるかもしれません。
中学レベルでつまづいた男が英語でサバイバルしてきた(@Goarick氏)
英語が出来ないままセブ島と台湾に長期滞在してきたGoarick氏の語学と旅行経験についてのスピーチです。内容を記事で伝えるのが難しいのですが、今回一番の笑いどころでした。スライドは発表者であるGoarick氏のブログにて公開されています。
このスライドのうち「意識したいこと」には大事な事が詰まっていると思います。
- 長い英語とかいらない、シンプルに。
- 思ってるより相手は理解してくれる。
- 間違っててもええやん、日本語間違ってる事も多いわけだし。
- 勢い大事。すんごく大事。
外国語だと身構えてしまい、難しく考えがちですが、日本語をしゃべる時も考えてみればシンプルなのですよね。
他には提案として次の事が挙げられていました。
- 英語学習のためには最低1ヶ月は滞在すべき、語学学校は通うほうがいいに決まっているが、行かないなら教科書を持っていったほうがいい。
- 英語が苦手な人でも海外に行けば好きになれるし、好きになれば勝手に上達して、自分から外国人に話しかけられるようになる。
前者は語学学校に行かず教科書も持たず英語を調べる手がないまま向かったGoarick氏ならではの提案ですね。英語の勉強方法についてはLang-8やレアジョブといったオンラインサービスを利用するのも手です。
ちなみに、フィリピン(セブ島)に7週間滞在するのにかかった費用はたったの2万円(1万ペソ)だったそうで、その安さに驚き。
伝わるプレゼン(@mollifier氏)
最後にmollifier氏のプレゼンです。伝わるプレゼンをするための「テーマの選定方法」と「資料の作成方法」、「当日の発表方法」についてのお話で、主に資料作成について詳しく話されていました。このセッションについては高橋メソッドで作成されたスライドを見て頂くと分かりやすいと思います。
当たり前では感動せず盛り上がりに欠ける。テーマの選定の段階で意外性がないと危険だと思え、というのが目からうろこでした。このプレゼン自体も「意外性」があると盛り上がるという事を証明しており、それが「忙しい人のためのカチカチ山」でした。
どういうことかと言うと、話の構造がいかに大事かを「忙しい人のためのカチカチ山」の例で説明されており、これが非常にわかりやすく、なおかつ大層面白かったです。普通はウサギが正義の味方で、話のキモはウサギがタヌキを懲らしめる所なのですが、キモだけの物語だと、ウサギがただの悪者になってしまいます。
カチカチ山の例を資料作成に照らしあわせて考えると、要点だけをまとめている資料だとちゃんと伝わらない、という事になります。要点だけしか書かない資料作成は、ついやってしまいがちなので、他のいいプレゼンの資料を参考にして話の構造をしっかり考えて作らないといけないな、と考えさせられました。
総括
すべてのプレゼンを通じて言われていた事は、失敗してもいいからとにかく挑戦しようという事でした。
最初は不安なものだし、恥ずかしいものだし、うまくいかないが当たり前。うまい人をお手本に真似して、出来なかったら反省点を次に生かせばいい。やって損はないけど、やって得はたくさんあるのだから。
100点満点のプレゼンなんてないと思うと気が楽ですよね。自分の中でイマイチな10点くらいの出来でも自分の勉強になります。少なくとも人に名前を覚えて貰えますし、それで仲良くなったり、仕事や次の講演の依頼が来るかもしれません。
プレゼンの手法については、mollifier氏のプレゼンの中でも紹介されている、Presentation Patternsというサイトでわかりやすくまとめられていますので、そちらも読んでみるといいでしょう。
とりあえずやってみよう!そんな気にさせるいい勉強会でした。