PHP4 と PHP5 の Sigleton Pattern

PHP4 での Singleton

error_reporting(E_ALL);
class Foo {
    function &getInstance(){
        static $_singleton;
        if(empty($_singleton)){
            $_singleton = new Foo();
        }
        return $_singleton;
    }
    var $_n;
    function add(){
        echo (++$_n).”\n”;
    }
}
$o1 =& Foo::getInstance();
$o1->add(); // 1
$o2 =& Foo::getInstance();
$o1->add(); // 2
$o2->add(); // 3
$o1->add(); // 4

 & と static の使い方が肝です。
static キーワードは、指定したローカル変数のライフサイクルを延長するためのキーワードです(注1)。
 メソッド定義とメソッド呼び出しの両方に & を付けないと、参照でなくコピーになってしまい、個別のインスタンスになるために結果が 1,2,1,3 になってしまいます。
 
PHP5 の場合も上のコードを変更なしで Singleton Pattern として動作させることが可能です。
さらに、メソッドの戻り値が標準で参照になるため、& を外しても singleton を実現することができ、クライアントコードが誤用する可能性がなくなったといえます(注2)。
 
このように PHP4 ではクライアントに特殊なメソッド呼び出し方をしないと意図しない結果になるため、Singleton な動作が必要な箇所については極力非公開にして内部利用にとどめるほうが賢明かも、です。
 
注1:
static キーワードには、スコープ(可用範囲)を広げる効果はありません。
ローカル変数がフィールドになるわけではないため、異なるメソッドで同じ名前の変数を指定しても、別個の変数になります。
注2:
ただし、クライアントコードで

$o1 = clone Foo::getInstance();

のように clone を使って意図的にコピーを行った場合、PHP4 で & を付けなかったときと同様の結果になります。
この場合はクライアント側で結果が予測できるため、問題にはならないでしょう。
 
参考:
PHP4 でデザインパターン(Do You PHP?)